いろはなの学習療法のご紹介

学習療法とは、音読と計算を中心とする教材を用いた学習を、利用者さんとスタッフがコミュニケーションをとりながら行うことにより、認知機能やコミュニケーション機能身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善をはかるものです。
当施設では川島隆太先生の教材や、その他、大人の絵本・詩集・そろばん等 様々な教材を用いて、学習を継続することにより、認知機能の維持や改善に努めて参ります。 また、利用開始時にMMSE等の機能検査を行い、定期的に再検査を行うことで評価を行い、活動内容の変更や継続に役立てます。

学習療法の内容と効果をご紹介。

 

いろはなでの学習療法の様子

身体的メリット

  1. 人間の前頭前野には、
    ①思考する
    ②行動を抑制する
    ③コミュニケーション(対話)をする
    ④意思決定をする
    ⑤情動(感情)を抑制する
    ⑥記憶をコントロールする
    ⑦意識、注意を集中する⑧注意を分散する
    ⑨やる気を出す、などの働きがあります。
    学習療法を行うことにより、人間にとって大切な前頭前野の活動性が増強し脳機能の改善が得られます。
学習療法で使う教材

 

精神的メリット

  1. 物忘れや認知症があると、ストレスから不安を抱え自信を失うことが多くなります。
  2. 職員や他者とコミュニケーションをとりながら学習をすることで、昔の記憶がよみがえり、 自信を取り戻すことで感情が安定し、意欲の向上にも繋がります。

 

学習療法を事例でご紹介:物盗られ妄想が激しい、元駄菓子屋さん店主の女性(88歳)

利用者のEさんは当初、物盗られ妄想が激しく家族とも問題を起こしていました。さらに、便意や尿意などの意思も伝えることが出来ませんでした。

  1. 計算の得意だったEさんに簡単な計算を継続して行ってもらう。
  2. 簡単な買い物を行えるようになる為に、買い物ゲームなどでシュミレーションする。さらに、実際に外出支援にて、予算内で買い物が出来るように支援する。
  3. そろばん(五つだま)を用いて長期記憶に働きかける。

※この事例は、上記写真の方とは一切関係ありません